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箱崎MAP


今朝から雪がちらほらり、ここ数日の冷え込みが蓄積してか、かさかさの手からは血が滲んでいる。
ちょっと作業も休んで、ゆっくり本でも読みますかな、と思うけれど築年数のいってる我が家は恐ろしく寒い。
ならばいっそと久々に外をぶらぶらすると、土曜というのに商店街には誰も歩いておらず、これはもう寒いから
なんて理由では追いつかない。
そう、商店街と称しながら開いてる店は減るばかり、増えていくのはマンションばかり、空は狭くなるばかり。

この町、というのは福岡県福岡市東区箱崎だけど、ここに住み始めてから6年目に入る。
考えてみると、qulteとして初めて作ったものも、この町の地図だった。



「全部任せるから好きに作ってくれていい」という依頼主である箱崎不動産さんのお言葉に甘え、本当に
好きに作ったもので、福岡の人ならお分かりだと思うけど、箱崎というと大方は庶民的な学生街、レトロな町、
あとは放生会とか夢野久作とか、そんな決まりきったイメージがあるけれども、でももっと違った面白さもあるし、
自分達はこんな風に感じて日々暮らしてますよ、っていうのをまんまビジュアルに置き換えた感じ。
これを作ってから2年半、今日改めて歩く町は随分と変わっていた。
その変化は日々少しづつの積み重ねで、日常はそれとなく過ぎて来たのだけれど。

そんな事を思いつつ家に戻ると、5ヶ月前から我が家に仲間入りした猫(名はそいといいます)が一心に庭を
見つめている。庭といっても坪庭というか、お稲荷さんが祀ってあってほぼその為の空間といった感じなんだけど、
そいは日々飽きることなく、監視員のごとくにこれを眺め暮らしている。
何をそんなにと思って視線を追っても、人間にはせいぜい風に揺れる木々くらいしか認識出来ず、あっという間に
飽きてしまうのに。
一体どんな風に見えているのか、そいにこの庭の地図的なものを作ってもらいたい、と思う。

今見返すと稚拙に感じるところも多い箱崎mapだけど、少なくともドキドキと町に接していたことは伝わってくる。
もし自分達が改めてこの町の地図を作るとしたら、今度はどんなイメージを描くのだろう、そしてそれは他人から見て
ワクワクするようなものになるだろうか、と思うと、、、どうだろう、多分つまらないだろうな。
で、それは町が変わったせいだけでは勿論ないって事に気付いて、少し焦った冬の1日でした。


そい首輪


大晦日


わりとゆったり過ごしてきた年末も、いよいよ大晦日になりました。
やはり最後はバタバタします。。。

さて、例に寄って久々の更新ですが、今日はお知らせがあります。
週末のみ、ショールーム的にオープンしていたQULTEROOMですが、アトリエの移転に伴い終了する事になりました。
GROUのアトリエとしてここを借りたのが2007年、だんだん訪ねてくれる人が増えてきて「嬉しいけど作業が中断して
仕事にならんし、いっそ週末だけオープンしよう」ってことになったのが2009年。
自分たちの作品以外にも、ペインターや写真家の人達の展示をしたり、古い絵本や絵箱のお店と一緒に場所をつくったり、
屋上に屋台を運び上げてパーティーをしたり、、、
この空間のおかげで、色々な人や出来事と触れる事が出来ました。
わかりづらい場所にも関わらず足を運んでくださった皆様に改めて感謝します。
来年からGROUの服やkikureの木版画は、いろんなお店やギャラリーなどで紹介して行く事になります。
ご縁のある方は、また何処かでお会いしましょう!



引っ越し前日の写真。
そう、この家具達と縁が起きたのもこの空間があってこそ。
初めてこの部屋のドアを開けた時は、なかなかに壮絶な光景だったのを思い出します。
前に借りていた会社が夜逃した後という事で、外れたままの受話器や散乱する書類、什器その他なにもかもがほったらかしという有様。
ただ北側全面開口の曇りガラスから入る光はあまりに美しく、それだけを頼りに此処を借りる決心をしました。
折しも九大工学部移転のまっただ中、すごい量の家具が廃棄されていた頃。
それらを少しづつ運び入れていくうち、だんだんと部屋の空気も浄化されていくようで。
これをきっかけとして九大博物館とのプロジェクトもスタートしたり、本当に思い入れ一杯の家具達です。
この子達は、もちろん移転先のアトリエでも活躍してもらいます。

来年もより楽しい事を届けられるように、新鮮に年を越したいと思います。
どうぞ皆様も良いお年をお迎えください!




お盆休み


ブログの更新を滞らせている間に、いつの間にやらお盆になります。
今年は会いたい人が随分と増えてしまった。
淡いピンクや水色の、涼しげで儚い花を沢山揃えて、ゆっくり時間を過ごしたいと思います。

盆1

今週末、8月13.14日のQULTEROOMはお休みさせて頂きます。
他にもお報せがあるのですが、また後日改めて。

みなさまも、よき夏をお過ごしください。




「Breathing」展終了のお知らせ


ー5月29日での一般公開終了後、6月3日、5日の特別公開をもって「Breathing」は全てのプログラムを終了しましたー

今回の展示の主役ともいえる骨格標本の多くは、およそ100年前に作られたものだそうです。
さらに時を遡れば、みな筋肉や皮膚を纏い、例えばサバンナの草原で獲物を追い、深い山奥で寒さに耐え、
遥か遠くの海を自在に泳ぎ廻って、それぞれが精一杯に個々の命を生きていたのでしょうか。
やがて骨となり長い年月を経た現在、何かの縁あってこの場所に集まっている、、、
ひと気の無くなった会場でぼんやりと過ごしているとき、不意にいろいろな事がありありと感じられ、
それと同時に全てが不思議でたまらなく思えてきました、頭ぐらん。

もうすぐ彼等はひっそりとした部屋のガラスケースの中へと帰っていきます。お疲れさま、ありがとう!


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     期間中は天候に恵まれなかったにも関わらず、多くの方にご来場頂きました。
     最後になりましたが、お越しくださったみなさまに心からお礼を申し上げます。



 映像 「mama!milk at Breathing」

        
       

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                                mama!milkのサイトに先日のリハーサル時の映像が公開されています。
                                           場所の空気感まで伝ってくる素敵な映像をご覧ください。

                                             → 
mama!milk performance for " Breathing "