箱崎MAP
- 2012/02/18
- 【全体】
今朝から雪がちらほらり、ここ数日の冷え込みが蓄積してか、かさかさの手からは血が滲んでいる。
ちょっと作業も休んで、ゆっくり本でも読みますかな、と思うけれど築年数のいってる我が家は恐ろしく寒い。
ならばいっそと久々に外をぶらぶらすると、土曜というのに商店街には誰も歩いておらず、これはもう寒いから
なんて理由では追いつかない。
そう、商店街と称しながら開いてる店は減るばかり、増えていくのはマンションばかり、空は狭くなるばかり。
この町、というのは福岡県福岡市東区箱崎だけど、ここに住み始めてから6年目に入る。
考えてみると、qulteとして初めて作ったものも、この町の地図だった。

「全部任せるから好きに作ってくれていい」という依頼主である箱崎不動産さんのお言葉に甘え、本当に
好きに作ったもので、福岡の人ならお分かりだと思うけど、箱崎というと大方は庶民的な学生街、レトロな町、
あとは放生会とか夢野久作とか、そんな決まりきったイメージがあるけれども、でももっと違った面白さもあるし、
自分達はこんな風に感じて日々暮らしてますよ、っていうのをまんまビジュアルに置き換えた感じ。
これを作ってから2年半、今日改めて歩く町は随分と変わっていた。
その変化は日々少しづつの積み重ねで、日常はそれとなく過ぎて来たのだけれど。
そんな事を思いつつ家に戻ると、5ヶ月前から我が家に仲間入りした猫(名はそいといいます)が一心に庭を
見つめている。庭といっても坪庭というか、お稲荷さんが祀ってあってほぼその為の空間といった感じなんだけど、
そいは日々飽きることなく、監視員のごとくにこれを眺め暮らしている。
何をそんなにと思って視線を追っても、人間にはせいぜい風に揺れる木々くらいしか認識出来ず、あっという間に
飽きてしまうのに。
一体どんな風に見えているのか、そいにこの庭の地図的なものを作ってもらいたい、と思う。
今見返すと稚拙に感じるところも多い箱崎mapだけど、少なくともドキドキと町に接していたことは伝わってくる。
もし自分達が改めてこの町の地図を作るとしたら、今度はどんなイメージを描くのだろう、そしてそれは他人から見て
ワクワクするようなものになるだろうか、と思うと、、、どうだろう、多分つまらないだろうな。
で、それは町が変わったせいだけでは勿論ないって事に気付いて、少し焦った冬の1日でした。

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