時間
- 2012/07/25
- 【全体】
昨夜は箱崎の人形飾り。
この祭りを見るのも、もう6度目となりました。

日も暮れて、子供達がそろそろと家に戻る頃、ビールを軽くひっかけて
ふらふらと弁財天さんへ向かえば、ゆらゆら集まる人影の、楽しげなのは酒盛りかしら。
薄明かりの中近づけば、行きつけのスーパーや商店街、行き交う道で見覚えのある顔ばかり。
もちろん年齢的にも住人歴的にも大先輩な方ばかり。
なんか怪しげなのが来てすみません、って恐縮しながら挨拶すれば、おーよく来たね、
また痩せたっちゃないと?、最近商売の調子はどうね?、なに本殿の中が見たい?
おーそんなら灯りをつけてやろう、上がっていいよ構わん構わん、なんて言いながら、
代わる代わるに神社の伝承から地域の変遷、石碑の由来なんかを教えてくださり、
人は替われど話の内容は同じだったりするのも、これまたなんとも快く、充ちに満ちた気持ちにしてくれる。
良い心持ちになったところへ、よしよし飲んでいかんね、なにもう酒が無いビールが無い?
なら、これを持っていきなさい、これがいいこれがいい、なんて2ℓペットボトルのお茶まで
頂戴いたしまして、もう心から楽しい一時。
6年も住んでいると、当初のような新鮮な驚きなんかは無くなってしまうけれど、
それとすり替わるように、こんなに嬉しい事があるのかと、時間が経つというのは
こういう事かと、これも一つの新鮮な驚きで、いやいや嬉しありがたしの夜でした。
あとは、週末に茅の輪をくぐれば、きっと今年も素敵な夏となりましょう。
見上げればスキッと澄んだ夏の夜空、そう今週末の箱崎は夏越し祭ですよ。

どうぞ皆様の夏も、思いっきり素敵になりますように。
※
一昨年、昨年と続いた九州大学総合研究博物館との特別展示企画。
今年はどうなの?と声をかけて頂く事も多いのですが、本年度は
未だ納得のいくイメージが持てず、お知らせできる段階にありません。
進展があり次第、こちらのブログでもお知らせいたします。
楽しみにしてくださっている方、申し訳ありませんがしばしお待ちくださいね。
箱崎MAP
- 2012/02/18
- 【全体】
今朝から雪がちらほらり、ここ数日の冷え込みが蓄積してか、かさかさの手からは血が滲んでいる。
ちょっと作業も休んで、ゆっくり本でも読みますかな、と思うけれど築年数のいってる我が家は恐ろしく寒い。
ならばいっそと久々に外をぶらぶらすると、土曜というのに商店街には誰も歩いておらず、これはもう寒いから
なんて理由では追いつかない。
そう、商店街と称しながら開いてる店は減るばかり、増えていくのはマンションばかり、空は狭くなるばかり。
この町、というのは福岡県福岡市東区箱崎だけど、ここに住み始めてから6年目に入る。
考えてみると、qulteとして初めて作ったものも、この町の地図だった。

「全部任せるから好きに作ってくれていい」という依頼主である箱崎不動産さんのお言葉に甘え、本当に
好きに作ったもので、福岡の人ならお分かりだと思うけど、箱崎というと大方は庶民的な学生街、レトロな町、
あとは放生会とか夢野久作とか、そんな決まりきったイメージがあるけれども、でももっと違った面白さもあるし、
自分達はこんな風に感じて日々暮らしてますよ、っていうのをまんまビジュアルに置き換えた感じ。
これを作ってから2年半、今日改めて歩く町は随分と変わっていた。
その変化は日々少しづつの積み重ねで、日常はそれとなく過ぎて来たのだけれど。
そんな事を思いつつ家に戻ると、5ヶ月前から我が家に仲間入りした猫(名はそいといいます)が一心に庭を
見つめている。庭といっても坪庭というか、お稲荷さんが祀ってあってほぼその為の空間といった感じなんだけど、
そいは日々飽きることなく、監視員のごとくにこれを眺め暮らしている。
何をそんなにと思って視線を追っても、人間にはせいぜい風に揺れる木々くらいしか認識出来ず、あっという間に
飽きてしまうのに。
一体どんな風に見えているのか、そいにこの庭の地図的なものを作ってもらいたい、と思う。
今見返すと稚拙に感じるところも多い箱崎mapだけど、少なくともドキドキと町に接していたことは伝わってくる。
もし自分達が改めてこの町の地図を作るとしたら、今度はどんなイメージを描くのだろう、そしてそれは他人から見て
ワクワクするようなものになるだろうか、と思うと、、、どうだろう、多分つまらないだろうな。
で、それは町が変わったせいだけでは勿論ないって事に気付いて、少し焦った冬の1日でした。

調和
- 2011/05/25
- 【全体】

「Breathing」展の要となる2つのイベントが終了しました。
お越しくださった皆様、どうもありがとうございました。
おかげさまで、お客様からもmama!milkの2人やアラタさんからも嬉しい反応をいただけました。
今回の「Breathing」展の大きな特徴は、キュルト初の試みとしてスタッフを導入しチーム編成で制作にあたったことです。
木レンガが敷かれた古い建物や百年前の工作機械(無生物)、骨となった動物達(過去の生命)と日々増殖してゆく
中庭の植物(もの言わぬ生物)。
空間を構成するこれらの要素と共にもう1つ、その中で動き働くスタッフ(生身の人間)が加わった時にどのような調和が生まれるか、
その事をずっとイメージしてきました。
それらが織りなす空気が演奏者や話し手の方に影響し、さらにそこで生みだされていく事が観客の方へと伝わっていくのですから。
そこで今回の展示全体の性格も考えたうえ、プロではなく日頃から信頼を置いている人達にスタッフとしての参加をお願いしました。
当日のみならず、会場設営の大変な作業段階からみんなで作りあげていった事もいい方向に向いたようです。
そして当日、、、とてもスペシャルな時間が生まれてくれたと思っています。
就職はおろか部活動やサークル活動の経験すらない、およそ集団行動に縁遠い人間(わたくし)の指揮のもと、スタッフの方達は
本当によく頑張ってくれました。
彼等の培ってきたイマジネーション、人間力に感謝です。






展示はまだまだ継続中です。
特設サイトもできましたので、こちらもご覧ください。
Breathing
